毎月進化する490円/月のVPS「ServersMan@VPS」をオンラインストレージやVPNで活用しよう 3ページ

VPSへの接続と初期設定

 ServersMan@VPSでは、VPSへのログインは基本的にSSHを利用する。ただし、初期設定ではSSHのポート番号は一般的な「22」ではなく「3843」になっているので、接続時にはこのポートを使用するよう明示的に指定する必要がある。また、一般的にはrootユーザーでのリモートログインは推奨されないが、VPSの初期状態では作業用ユーザーは用意されていないので、まずはrootでログインして各種設定を行うこととなる。なお、VPSのIPアドレスやrootパスワードは登録時に送付されるメール内に記載されている。

AirDisplay@VPSを使う

 ServersMan@VPSでは、Webブラウザ経由でサーバーにログインできる「AirDisplay@VPS」という機能が用意されている。これにより、SSHクライアントが利用できない環境でもVPSにログインすることが可能だ。ただし、AirDisplay@VPSはVPSのコンソールに直接接続されるものではなく、あくまで「Webブラウザ上で動作する仮想ターミナルクライアント」というものであるため、VPS自体やVPSのSSHサーバーが停止している場合には利用できない。なお、動作保証ブラウザはInternet Explorerのみとなっている。それ以外のWebブラウザの場合、一部表示が崩れたり色がおかしくなる現象などが見られたが、利用自体はできるようだ。

 AirDisplay@VPSは、MyDTIの「契約中サービス」タブで「AirDisplay@VPS」の「ログイン」ボタンをクリックするとアクセスできる(図12)。また、「https://<VPSのIPアドレス>/airdisplay/」というURLでもアクセス可能だ。

図12 MyDTI内にAirDisplay@VPSへのリンクが用意されている
図12 MyDTI内にAirDisplay@VPSへのリンクが用意されている

 なお、ここで使われているSSL証明書は正式な認証機関が発行したものではないため、証明書エラーが発生する。その旨を理解した上で利用して欲しい。

 閲覧を続行するとコンソールが表示され、ログインユーザー名とパスワードの入力が求められる。ログイン後は一般的な仮想ターミナルと同様に操作が可能だ。また、上部の「Paste」ボタンではクリップボードの内容をペーストできる(図13)。

図13 AirDisplay@VPSでは一般的な仮想ターミナルと同様にVPSを操作できる
図13 AirDisplay@VPSでは一般的な仮想ターミナルと同様にVPSを操作できる

VPSの初期設定

 SSHクライアント、もしくはAirDisplay@VPSでログインした後、まず行うべき作業は「passwd」コマンドによるrootパスワードの変更だ。

# passwd
Changing password for user root.
New UNIX password:  ←新しいrootパスワードを入力
Retype new UNIX password:  ←同じパスワードを再度入力
passwd: all authentication tokens updated successfully.

 次に「yum update」コマンドでインストールされているパッケージの更新を行っておく。

# yum update

 また、定期的にパッケージのアップデートを自動実行する「yum-cron」をインストールしておくと良いだろう。yum-cronはインストールしただけでは有効にならないので、「service」コマンドおよび「chkconfig」コマンドで有効化しておく。

# yum install yum-cron
 :
 :
# service yum-cron start
# chkconfig yum-cron on

ServersManの設定

 ServersMan@VPSでは、初期状態でServersManが有効になっている。そのため、こちらの初期設定も忘れずに行っておく。ServersManを利用しない場合でも初期状態では管理コンソールが立ち上がっているので、パスワードの変更などは最低限行っておく。

 ServersManの管理コンソール(AdminTool)は、「http://<VPSのIPアドレス>/serversman」からアクセスできる。ログイン画面が表示されるので、登録メールに記載されているユーザー名とパスワードを入力してログインする。

 初回ログイン時には「設定・変更」画面が表示されるので、まずAdminToolパスワードを変更しておく。「AdminToolパスワード」以下の「パスワード」および「パスワード(確認)」に新しいパスワードを入力し、「設定」をクリックすれば完了する(図14)。

図14 AdminToolの「設定・変更」画面
図14 AdminToolの「設定・変更」画面

 また、ServersManを利用する際にはserversman.netで各サーバーを認識するのに利用する「ノード名」と、ServersManを利用するためのユーザーアカウント情報の設定が必要だ。これらは「設定・変更」画面で行える。まず「ServersManサービス制御」欄の「ServersMan」を「有効」にし、「ServersManメールアドレス」と「パスワード」にServersMan@VPSへの申し込み時に登録したメールアドレスおよびパスワードを入力して「設定」をクリックする(図15)。

図15 ServersManを利用するには、ServersManを有効にする設定を行う
図15 ServersManを利用するには、ServersManを有効にする設定を行う

 これでServersManが有効化され、Webブラウザで「http://www.serversman.net:8080/<ノード名>」というURLを開くことでVPSのServersManストレージ領域(/var/serversman/htdocs/以下)にアクセスできるようになる(図16)。

図16 ServersManでは、「http://www.serversman.net:8080/<ノード名>」というURLでVPSのストレージ領域にアクセスできる
図16 ServersManでは、「http://www.serversman.net:8080/<ノード名>」というURLでVPSのストレージ領域にアクセスできる

 なお、Webブラウザや後述のWebDAVでファイルをアップロードした場合、ファイルの所有者およびグループは「daemon」となり、パーミッションはすべて「666」(全ユーザーが読み/書き可能)となる。また、Webブラウザ経由ではフォルダの作成は行えない。フォルダを作成したい場合、コンソールでログインして/var/serversman/htdocs/以下に手動でフォルダを作成するか、下記で紹介しているWebDAV経由で利用する必要がある。